(犬)混合ワクチンの副作用で死の間際に!アナフィラキシーショックの怖さ。

まさかうちの子が…

注射を打つまでは元気にしていました。
病院に行く前に散歩に行って、ご飯も食べて、遊んで。

毎年、混合ワクチンや狂犬病ワクチンの予防接種はしていました。
今まで顔が腫れたり、ぐったりしたりなど副作用を感じる様子はありませんでした。

今回は、7回目の混合ワクチン予防接種でした。
注射後、会計待ちの時に悲劇がいきなり訪れました。

愛犬はだんだん眠くなったかのようになりました。

名前を呼んでも、
徐々に反応がなくなり、すぐに動物看護師さんに様子を伝え対応してもらいました。

看護師さんからは
「呼吸が弱くなってきてるので、気管挿管して呼吸を確保していきます。」
「もしかしたら…もあるかもしれません。」

と言われ、私たちは気が気ではなくなりました。

目次

愛犬のプロフィール

犬種:ポメラニアン
性別:女の子
年齢:7歳
既往・手術歴:避妊手術、膝蓋骨脱臼手術(両側)
アレルギー:過去にアレルギー症状が出たことはない。
性格:人懐っこい。犬が苦手。病院に行くと緊張しやすい。

予防接種の頻度:毎年4月に狂犬病ワクチン、毎年10月に6種混合ワクチン接種していた。

朝から病院に行くまでの様子

飼い主は朝7時に起床。毎日行っている散歩をいつも通り30分程度行う。
朝の排尿有り、排便1回あり。
朝食摂取。

日常生活と大きな変わりなく、過ごす。

病院に到着してから予防接種まで

10時半ごろ病院に到着。
受付を済ませて、待合室で待機する。
診察に呼ばれるまでは受け付けの椅子に座って待つ。
愛犬の様子は緊張している様子で震えている。(病院に行くといつもと同じような反応)

診察室に移動してから予防接種を行う

診察室に呼ばれてから問診が始まる。

・いつもと体調は変わりがないか
・口腔内のチェック
・体温測定
・体重測定
・股関節脱臼の確認など

診察中はとても緊張している様子。(毎回同じ反応)
一通りいつもの検査が終わり、肩甲部に予防接種を行う。

今回摂取したワクチンは
6種混合ワクチン(バンガードプラス 5/cv)でした。
・犬ジステンパー
・犬伝染性肝炎
・犬アデノウイルス2型感染症
・犬パラインフルエンザウイルス感染症
・犬パルボウイルス感染症
・犬コロナウイルス感染症

予防接種~5分程で様子が急変する

予防接種を行った直後も緊張していました。(普段も病院を出るまで緊張しっぱなしです)

予防接種を行ってから会計待ちの間に愛犬の様子が急変しました。

抱っこしている腕の中で少しずつフラッと力が抜けた様子になりました。
徐々に倒れるように腕にもたれかかってきました。

愛犬の顔を覗いたら、視点が合わず、
呼びかけには反応がみられず。

その瞬間『様子が変だ』と思い、看護師に預けて対応してもらいました。

待合室で待っている間

 私たちは様子が分かりませんでした。

 少し時間が経ってから、看護師からお話がありました。

 看護師「今、心電図をつけてるところです。呼吸が止まっているので、気管挿管して呼吸を補助します。」

 その数分後、処置室に案内されました。

処置室での愛犬の様子(意識がない状態)

愛犬は横向きに寝ていました。

・意識はなく、うっすら瞼が開いて白目の状態
・自発呼吸がないため、気管挿管されて人工呼吸器で呼吸を補助されている
・口は開けられていて、舌は横に出されている。舌には身体の酸素を図るパルスオキシメーターがつけられている。舌の色は黒くなっている
・心電図が装着されている
・点滴が前足に入っている
・血圧計がつけられている

この状況をみて愕然としました。
これらについて、以下に一つずつ分かる範囲で説明していきます。

意識がなくうっすら瞼が開いている状態

 普段なら、眠っていても少しの物音や呼びかけで耳が動いたり、目をあけて音のなる方に目や首を傾けてくれました。

 でも、処置室での様子はまったく反応がありません。私たちが声をかけても耳を動かしたり、目が動く様子が全くみられませんでした。

自発呼吸がないため、気管挿管されて人工呼吸器で呼吸補助されている

 愛犬はアナフィラキシーショックの状態となり、自分で呼吸することも出来ない状態になっていました。

 そのため、呼吸を確保するために、気管挿管を行い、人工呼吸器で呼吸を補助されていました。

 人工呼吸器は一定のペースで、愛犬の呼吸を補助し続けていました。

 獣医師からは「自発呼吸が回復したら、人工呼吸器は外れる」と言われました。
 私たちに出来ることは声をかけたり、撫でたりしながら祈ることでした。

舌には身体の酸素を図るパルスオキシメーターがつけられている

 愛犬の意識がないときは動脈血液の酸素飽和度(SpO2)を測定するためにパルスオキシメーターという機械がつけられていました。

 人間ではパルスオキシメーターは指で測ることが一般的なのですが、動物では舌で測定するみたいです。

 犬の酸素飽和度の正常値は95~100%
 私たちが最初に目にした時の数値は80%台でした。
 人工呼吸器で呼吸を補助してからしばらくすると95%前後に上昇してきました。

 90%という数値も実際はかなり苦しいと思われる値です。
 例えば30秒呼吸を止めても90%になることはほとんどないと思います。

<酸素飽和度>
90%以下は呼吸不全の状態
75%以下は心虚血性をもたらす可能性がある
50%以下は意識障害や昏睡状態に陥る可能性もある


獣医師は度々毛細血管充満時間(CRT)を確認していました。

歯茎を圧迫して、正常なら1~2秒程度で歯茎がピンク色に戻ります。
愛犬はCRTの延長がみられ、末梢循環が悪い状態を示していました。

さらに舌の色は黒色でした。
正常な色は赤みがある色です。

舌の色が黒くなっているということは全身の血流量が悪い状態です。

心電図と血圧計がつけられ、点滴がつながっている

処置中は心電図がつけられていました。
心電図の波形は洞調律(正常な波形)でしたが、心拍数はずっと頻脈でした。(130回以上/分)
この時血圧は図れませんでした。
獣医師が、何度も大腿動脈(太ももの内側にある太い動脈)の拍動を確認していました。(触知できていたかは分かりません)

前足に末梢静脈ルート(点滴)が入っていて、そこからソルラクト輸液が投与されていました。
(点滴の目的としては、薬剤投与のためのルート確保、全身循環量の確保など)
そこからドパミン(強心剤)を混注したソルラクト輸液が一定量ずつ持続投与されました。

何分経過したか分かりませんが、しばらくすると血圧が測れるようになり、心拍数が100回/分前後まで低下してきました。

獣医師からは、「心拍が下がってきたということは、2通りの可能性があります。」
「良くとらえれば、心臓が安定してきた可能性があるということ。
悪くとらえると、心臓が弱ってきた可能性があること。」と説明されました。

また、「点滴の前にプレドニゾロン (1mg/kg)を皮下注射して、過剰に反応している免疫機能をおさえていること、また強心剤で心臓の働きを助けているため、効いてくれるのを期待する」という主旨の説明を受けました。

大事なのは血圧が測定できるかどうかで、判断していくとのことでした。
血圧が測れるようであれば、状態が安定してきていると考えていいとのことでした。

<プレドニゾロン>
作用:炎症や免疫を抑える
副作用:肝臓への負担、免疫力低下、筋力低下、皮膚が薄くなる、毛が抜ける

奇跡的に意識が戻った!

意識がなくなってから、どのくらいの時間が経ったのかはわかりません。
私たちは愛犬の手足をさすりながら、愛犬の名前を呼び続けていました。

すると、奇跡的に自発呼吸が戻り、意識も戻りました。

目が開いて、異物を吐き出すような様子でした。
この反応がみられ、人工呼吸器の気管チューブを抜管したのです。

時々、嘔吐していた

意識が戻ってからは、時々嘔吐していました。

吐き気がみられたら、獣医師に抱きかかえられて、異物を真下に出せるように。
吐き気が落ち着いたら、また横に寝かせてもらってを何度か繰り返していました。

ワクチンの副作用のためか、吐き気が続いていたので、
セレニアという薬(吐き気止め)を1ml皮下注射していました。

最初は異物(朝ごはん)を出していましたが、水分量も少なく粘弾性が高く、口の外に出しきれず、再び飲み込んでしまうこともありました。

身体に酸素が戻ってきた

人工呼吸器は外れましたが、口・鼻の周りに酸素チューブを当てて、酸素を送り続けていました。
黒かった舌の色は徐々に赤みがかった色に戻り、酸素飽和度も98%前後に。

血圧が測れるようになった

血圧が測れるようになりました。

正確な数値はおぼえていませんが、獣医師から「血圧は落ち着いています」とのお話がありました。
大腿動脈も触知できるようになっていました。

心拍数が落ち着いてきた

心拍数:90回前後/分

血圧も図れるようになったことから、心拍数は回復に向かっていると判断していいと説明を受けました。

飼い主の顔を目で追いかけるようになった

徐々に意識が回復し、愛犬は横になりながらも顔をあげて、飼い主の顔をみるようになりました。
これには本当に喜びがありました。

状態が落ち着いてからはICUに移動

状態が落ち着いてからはICUに移動しました。

日本集中治療医学会で「集中治療のために濃密な診療体制とモニタリング用機器、ならびに生命維持装置などの高度の診療機器を整備した診療単位」と定義されている 。

Wikipedia :集中治療室より

人間の病院の場合、ICUは心電図や心拍数、血圧、呼吸数、酸素飽和度を測る機械などつけられ、常時モニタリングしており、異常が生じた場合は速やかに対応できるような部屋が想像されやすいと思います。

犬の場合のICUは、室温・湿度・酸素の管理ができるゲージであり、心電図や血圧、酸素飽和度などのモニタリングする機器はないため、目視による監視でした。(カメラは設置されているそうです)
なので、飼い主としては正直なところ、不整脈が生じたり、呼吸に異常が生じた際などは、スタッフに様子を確認されるまで分からず対応が遅れるのでは?と不安に思ってしまいました。
(犬の場合は、点滴や心電図・酸素飽和度などモニタリングの機械があっても、自己抜去してしまう可能性が高く、管理が難しいという理由もあると思いますが…)

愛犬は状態が安定しているとは言っても、ICUに移動してからもドパミンは持続投与されていた状態だったので、飼い主としては余計に不安でした。

そばに付き添っても良いとの許可はありましが、飼い主がそばにいると愛犬が気にしてゆっくり休めないと思い、定期的に様子を見に行くことにしました。

時々、愛犬のゲージを覗きに行くと、身体を丸めてスヤスヤ眠っていました。獣医師さんが様子を確認してくれていたので、安心しました。

その後、ICUから普通のゲージに移動しましたが、愛犬は特に異常なく経過しました。様子を見に行くと、起き上がり、座って飼い主を見ていました。

やっとお家に帰られることに

病院の最終診察時間まで様子をみて、異常がなければ、自宅療養で良いと言われました。
病院は夜間診療していないため、夜間異常があった場合の対応について確認したところ、
市内の夜間救急病院を紹介され、今回の病状経過や処置の内容が書かれた手紙も預かりました。

その後自宅に戻りましたが、夜間も愛犬に異常なく経過したため、夜間救急病院に行くことはありませんでした。

朝からずっと病院にいたから長かった。7~8時間近くの時間を病院で過ごすことになってしまいました。

それでも本当に『生きててくれて良かった』と思います。


このブログは最初の記事です。
私たちのように実際に起こったワクチンの副作用の危険性が書かれている記事を調べても、見つからなかったため書くことに決めました。

これからも私たちの記録も兼ねて
実際に調べたことや必要な事を書いていこうと思います。

医療は危険もありますが、もちろん救われる命も沢山あります。

医師に任せるだけでなく、自分たちでもよく調べて考えなければいけないと思っています。

その上で医師とよく相談しながら、愛犬と出来るだけ長く、幸せに暮らしていける家族が増えることを願います。

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